2017年02月14日

健忘録 入院/手術編

さてさて、準備編が終りましたので、今度こそ入院/手術編に参ります

卵巣癌の検査手術の為の入院日が決まり、5月27日、入院となりました

手術までの間に検査検査です
血液検査、肺活量の検査、歯科検診えとせとらえとせとら……
歯科検診は受けても受けなくてもいいものでしたが、手術後に口内環境が悪くなる方がいるとの事で、私も受ける事にしました

手術の説明は主治医の先生(例の女性の先生から変わっていました)、両親、看護師さんと私で、病室ではなく小さな会議室で行ないましたが、そこで結構私にとって衝撃的な一言が

「手術が終ったら、胃カメラと大腸カメラの検査もします」

おや……?
PETCTで癌の検査はもう終ったのでは……
違いました
ペットCTでは写らない癌もあるという事なのですね
つまり、今以上癌の転移があるかもしれないという事です
胃がんや大腸癌になっている可能性もあるというのです

ごつーんと衝撃がきました
すると、突然吐き気と目眩が
ついで呼吸も浅くなってきました
暫く忘れていた自律神経失調症の発作です

私は看護師さんに付き添われて退室
自室のベッドに戻りました
先日しっかり括った筈の腹がふにゃふにゃになってしまい、私は泣いてしまいました

「すみません、情けない」
謝ると、看護師さんは私の背中をさすりながら「そんな事はないと思います。強いです」と言ってくれました
その看護師さんは、これから私を担当する看護師さんでした
若い方で、とっても綺麗な人

看護師さんに励まされて、一度泣いたらすっきりして、私はもっぺん緩んだ腹を括りなおして会議室に戻りました

手術は5月の31日
何だかもう力が抜けたので、それまでの数日はかなり気楽に過ごす事が出来ました
多分私より、家族の方がしんどい思いをしていたと思います

ただ、体調的にその頃私はお腹の調子がべらぼうに悪く腰も痛かったので、あまり食事は楽しめず、痛み止めを飲み続けるという状態での入院生活でした

窓からの風景
17687.jpg

5月30日手術前日

手術ってそのものが大変だと思っていたんですが、違いました
手術前も大変です
何がって、まず絶食
それからお腹の中を空っぽにする

下剤です

も〜〜〜〜これが本当に大変でした
苦しい!!
汚い話になって申し訳ありませんが、水です
蛇口が馬鹿になった水道です
何度もトイレに通い、最後は浣腸もされました

そこでまた、あまりの腹痛のせいかトイレで自律神経失調症の発作が!
私はたまらず緊急ボタンを押しました

駆け付ける看護師さん
必死でパンツとズボンを上げる私

意識朦朧としながら、車椅子で病室に戻されたのが手術の前日です
ああ、きつかった

そしてとうとう5月31日手術当日

この日も朝から下剤です
もうええて

お水は飲んで良かったのですが、それも手術何時間前になるとストップ
待ち時間が本当に長かった

前の手術が長引いたら予定時間を過ぎる事があるのですが、大体過ぎるようで私以外の方も「遅いな〜まだかな〜」という声はよく聞きました
遅れるものだと思ってのんびり待った方が体も心も楽です

そして遂に声がかかり、手術用の服に着替え、車いすで移動

手術室はまるでドラマのセットのようでした

天井が凄く高い
広い部屋にぎっしりと銀色の機械が並び、音楽がかかっていました

そこにぽつんと、思ったより狭い手術台
まな板の上に自ら上がる鯛の気持ちです

この辺りの事はもううろ覚えなのですが、まず担当の先生の自己紹介
それから手術台に横になって、点滴の針を腕に刺し、胸には心拍計、指に酸素量を測る計器などが取り付けられました
それから背中に麻酔の管を刺して、準備完了

心拍数がかなり高かったみたいで、先生から「緊張してる?」と聞かれました
そんなに緊張してるつもりはなかったのですが、少々まずいドキドキ具合になっていたみいです

「深呼吸深呼吸」
スーハースーハー
「音楽変えようか。普段何を聞いてる?」
「サカナクションとか…マンウィズ聞いてます」
「意外やな!! 僕も聞いてる」

有線だったので丁度良くマンウィズはかからなかったのですが、かかりそうなチャンネルに変えてくれました

そして全身麻酔の開始

「どう? 眠くなってきた?」
「そうですね…何だかふわふわしてきた気がします。あ、結構きました。ふわふわ…ふわふわ…ふ」


ここで私の意識は途絶えました


次に目を覚ましたのは、看護師さんの私を呼ぶ声でした

「山本さん、山本さん、ベッド移動しますよ」

ストレッチャーという患者を寝かせたまま移動出来るベッドから、私の自室のベッドに移動するようでした

ベッド同士をくっつけ、ベッドの柵を掴んで腕の力で体を引っ張り、自分のベッドにずるずると移動します
いつの間にか、私のベッドには頭の部分にバスタオルがひかれていました
枕がありません

何だか気持ちが悪くて頭を少しあげたくて、枕が欲しかったのですが手術後は頭をあげちゃいけないらしいのです
それでもあんまり辛抱出来ないので、母に頼んで頭の下にタオルを入れて、ほんの少しだけですが頭を上げさせてもらいました

横になっていると、担当医の先生が来て「気分はどうですか?」のような事を聞きました
「先生、気持ちが悪いです」多分そう言いました
何だか凄く吐きそうで、助けて欲しい気持ちがありました
「吐き気止めの薬が点滴で入っているから、すぐ良くなるよ」
そんなような事を先生が言いました
うろ覚えです

姉が仕事の後で見舞いに来てくれていました
それまで、姉との関係は良好ではありましたが少々、実は、姉の性格が若干きつめで苦手なところもありました
それが病気が判明してからというもの、姉が凄く優しいのです
何かと私を笑わそうとしたり、励まそうとしたり、入院中も何度も見舞いに来てくれました
今では姉と話をするのが、私の楽しみの一つになっていたりもします

じゃあ帰るで、と言った姉の横顔を見ると何だか寂しくなって、少しだけ手を握りたくて意識朦朧としながら手を伸ばしたのですが、サムズアップと勘違いされました
イエーイと姉は笑っていました
もういい、ありがとう姉

贅沢にも手術の日から個室に入れて貰っていた私です
その日は母が簡易ベッドを入れて付き添ってくれました

頭が少しずつしゃっきりしてくると、今の自分がどんな状況かがわかってきました
足にはむくみや血栓を防止する為の機械がセットされていました
背中には管が刺さりっぱなしで、救助犬についてる小さな樽みたいな形をした容れ物に、痛み止めが入っていました
お腹に管が刺さっているし、尿を取る機械も刺さっています
いつの間にか手術前の服から違うものに変わっていました

その晩は激痛との戦いでした
そして熱い
母は寒かったかもしれませんが、窓を開けさせてもらいました

夜中兎に角お腹が痛い
開腹手術だったのでしっかりお腹は切っています
痛くて当たり前ですがもうそりゃべらぼうに痛い
傷口が開いてしまったんじゃないかって心配になる程痛くて痛くて、何度も夜中にナースコールをしました

痛み止めは数時間に一度しか使えないので、幾ら何度も痛いと言っても出来る事は限られていました
そこで私は看護師さんから、耳慣れない言葉を聞きました

「もうヒカチュウしか出来ないんですけど、それでもいいですか?」

……ヒカチュウ? 何それピカチュウの親戚?

色々考えましたが痛みの波が尋常でない私に選択肢はありません

「何でもいいです。やってください」

暫く待って、看護師さんがやってきました
手には注射器を持っています
何だ、注射かと思い右腕を差し出しましたが、いつものように肘の内側ではなく、肩の下辺りを消毒します

注射針が腕に刺さり、私はやっと気付きました
これは普通の注射じゃない
痛い!!

「ヒ、皮下注ウウウウゥゥゥ!!!!」

そうです
ヒカチュウとは、皮下注射の事でした
血管に注射をするのではなく、皮膚に液体を打ち込むのです

それはもう痛かった

実はそれから毎日、血栓予防の皮下注射をする事になるとはこの時の私は知りようもありませんでした


入院/手術編終わりです

次は手術後の入院生活をぽつぽつと書いていきます



タグ:入院 手術
posted by masako at 15:27| Comment(0) | 芝居以外の日常
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